本の紹介

先日新聞に介護の漫画の本が紹介されていたので読んでみました。

長崎在住の岡野雄一さんが書いた本です。

グループホームに入所している母とのやり取りが長崎弁で可笑しく表現されていて、ほのぼのしていて、とても優しい気持ちにさせてくれます。

私は介護について重く苦しい話ばかりをきくので、いつの間にか介護は辛く大変なものというステレオタイプな考えに陥っていました。

大変な状況は変わらないのに、気持ちの持ち方で笑いが生まれ、余裕のできる状況になるんだと思いました。

心を動かされた一コマにこんな話があります。

認知症で息子の姿を見てもわからない母は、息子の禿茶瓶の頭を見ると名前を思い出します。母は名前を呼びながら息子の頭をぼこぼこたたき、頭を寄せて確かめます。 息子は、頭を寄せ合うと見える瞳の奥に、母がこれまで経験してきた人生がいっぱい詰まっているのが見えます。 そして今、「もう何もかんも忘れてしまっても良かろ~?」と母が叫んでいるのを感じています。 「良かよ~、生きていてさえくれれば…。」 息子は優しいまなざしで受け止めています。

ここに描かれている話はどの親子にも通じるものがあって、私もいつの間にかそこに自分の親を見ていました。

介護に疲れた時、開いてちょっと息抜きしてもらいたい本だと思います。

本の整理

 

 

今年に入ってインフルエンザの流行などで陽生苑の活動が中止になり、本がどうなっているのか気になっていたので、今日行ってきました。行ってみると職員さんたちの協力もあり、本は結構整理されていました。それに有難いことに施設では本の運搬用に台車を買ってくれました。しっかりしていて運びやすかったです。

以前陽生苑の図書を揃えるのに図書館の団体貸し出しを利用して本を整えていたのですが、紛失、汚し、期限などの問題があり、利用する人たちにいろいろ制限をつけなければならないので、それをどうしたらいいのかが悩みの種でした。

無くなっても汚しても大丈夫という方法がないだろか? 期限なく自由に読んでもらうにはどうしたらよいだろうか?

そこでみんなで本集めをしました。古本屋で買ったり、図書館で雑誌の払下げのある日にみんなで何度も並んで手に入れたり、また職員さんたちに家で読まなくなった本を寄付してもらったりして集め、今では蔵書が本棚に入り切れない程になりました。

でも時々「○○の本をよみたい!」と本棚にない本のリクエストがあります。そんな時は図書館で本を借りてきて渡し、期限が来たら返してもらうようにしています。

紆余曲折を経ながら陽生苑で本の貸出を始めて2年経ちました。本の整理に行くと入所者の本好きが集まってきて、読んだ本の感想を話してくれたりします。そんな時、少しずつ活動が根付いてきているのを感じ、とてもうれしくなります。

 

 

 

ちょっと 聞いて?

今日 私の友人から相談を受けました。友人のご主人は難病で今 要介護1の認定を受けて在宅で暮らしています。筋肉が委縮する病気で家の中でもよく転び、顔や足のきずが絶えないので担当のケアマネージャーに手すりを付けたいので近所の大工さんに相談したと話したら「申請の書類が面倒なので業者を紹介します」と言ってその日のうちに業者を連れて来て見積もりをして帰って行ったとのことです。見積もりの内訳は5ヶ所の手すりの代金と取り付け費用で195、000円だったそうです。夜になってもう一ヶ所付けて欲しい所があることに気がつき、ケアマネさんに連絡したら次の日にケアマネさんから電話があり6ヶ所で20万円でいいと言ってきたそうです。(金額が妥当だ思うか?)とか(業者との関係がちょっと)とかケアマネさんに対して不信感をもってしまい電話してきたのですが、不審に思っていることのアドバイスは出来ませんでしたが友人とはじっくり話して手すりはみんなで協力して取り付けることにして、給付は近い将来 車椅子に乗ることになって住宅改修が必要になった時まで取っておくことになりました。手すり取り付け費用は妥当ですか?コメント頂けたら嬉しいです。

お手玉はいりませんか?

私の母はお手玉作りを生きがいにしています。これまでにたくさんのお手玉を作り、近隣の小学校や施設に差し上げました。母は「誰かにあげてね」とますます張り切って作っているのですが、最近私はどこにあげたらよいかわからなく困っています。

誰かお手玉のほしい人はいませんか?

「孤独死」の記事を読んで

31日の朝刊にまた孤独死の記事が載っていました。87歳の女性ですが有料老人ホームの入居者です。亡くなってから1週間もの間 職員をはじめ誰も顔を見ないことに気付かれなかったこと 17日から新聞も溜まっていたこと 15日には胸の痛みを訴えて職員に送迎されて病院にいっていることなど読んでいるうちにホームに入って暮らしている意味が何処にあるのかと考えてしまいました。家族から施設に「電話に出ない」と連絡がなければもっと発見が遅れたと思うとまるで町の片隅で起きた孤独死と同じです。有料老人ホームのパンフレットにある整った設備や沢山の人がいる中での「安全」 「安心」 「快適」とは、かけ離れた現実を「これが今の社会だ」と突き付けられたようでショックで落ち込んでいます。亡くなられた方のご冥福をお祈りしています。       吉川

感想 聞かせてください?

前年度の介護相談委員のメンバーで研修も一緒に通った西井さんが体調も良くなったと元気な声で電話をくれました。最近 「リンクす」の活動を聞かれたそうで、もし 出来ることがあったら声を掛けてください とのことでした。西井さんは京都の方でコーラスのサークルに入っていて、お年寄りの集まりや施設に出向いて、童謡や懐メロを聞かせるボランティアを長年やっているそうなので一人でもよかったら歌います とのこです。私の一存で取りあえず次回の会合に来てもらうことにしましたがよかったでしょうか?事後承諾になってしまってすみません。コメントくださいね。     吉川

のの字の哲学

介護相談とは直接関係ないかもしれないけど、
人間関係を良好に保つのに知っていた方がよいかなと思い、ちょっとした話を投稿します。
それはずっと昔聞いた渡辺和子さんの講演での話です。
彼女は当時岡山にあるノートルダム清心女子大学の理事長で、 福祉活動に一生を捧げてきた人です。
 その業績は日本のマザー・テレサとも呼ばれる偉大なものですが、
壇上に上がった彼女は、 拍子抜けするほど華奢で小柄な可愛らしいおばあさんシスターでした。
可愛らしい鈴のような声で、 優しく、ゆっくり、聴衆に話しかけるように話をされました。

彼女からはたくさんのよい話を聞いたのですが、一番心に残ったのが「のの字の哲学」と言う話です。
これは人間関係をスムーズにするもので、 夫婦にとったら円満の秘訣となるそうです。

「のの字の哲学」とは、簡単に言えば相手を受け入れること。
しかし、相手を受け入れるには、 まず自分が自分自身から解放され、 自由になっていなければならない。
自分のバリアーを取り去り、 「!」とか「?」と応じるのではなく、相手のニードを感じ取り、
「そうなの」と相手の気持ちに添うようにするのだそうです。

たとえば、夫が仕事から「ああ、暑かった!」と帰って来たとする。
そのとき「そう?」とか、 「夏だもの、当たり前じゃない!」ではなく、
「そお~、暑かったの、大変だったわね」と 夫の気持ちを受け入れる。
夫が「疲れた~」って言った時、 「私だって疲れているのよ!」ではなく、
「そう、疲れたの」とまず相手を思いやるのです。

相手が「ああ、暑かった!」「疲れた!」と言った時、
相手のニードは、批判や分析をしてもらいたい訳ではなく、 そう言う自分を分ってもらいたいのです。
相手のニードの受け取りを間違えると、 コミュニケーションは深まらず、関係はよい状態を保てない。
相手を受け入れれば、 相手も自分を受け入れるように胸を開いてくれる。
そこからよい関係は生まれるというのです。

彼女もたくさんの失敗をしてきたそうです。
ある時、仲間のシスターが 「喘息が出て夕べ眠れなかった。」と言った時、
彼女は思わず 「シスター、夕べ薬をお飲みにならなかったの?」と尋ねました。
しかし別のシスターが、 「まあ、咳がひどかったの。それは辛かったわねぇ。夜が長かったでしょう。」
と話すのを聞いて、すごく自分を恥じたそうです。
そのシスターは別のシスター言葉にうれしそうに頷いていたからです。

人間は弱いから失敗をする。でも失敗したっていいと言います。
この世の中に無駄なことは何もなく、 取り返しのつかないこともない。
失敗ごとに自分を知り、そこから何かを学び、 自分を見捨てず歩み続ければそれでいい。
「のの字の哲学」、それを実行できるかできないかで 人生は随分変わるそうです。

さて、この「のの字の哲学」、 自分を解放させることが難しそうですが、 参考にしていただければ…。

「認知症」についての記事

先日 新聞で「病院の実力」と言う記事を見ました。今回は認知症について書いてあって、京都府で日本老年精神医学会、日本認知症学会の専門医のいる8ヶ所の(洛和会音羽、府立医大、武田、京都大、京都市立、武田総合、宇治武田、三幸会 北山)の昨年の治療実績が載ってありました。認知症は、国内では240万人を超える患者がいて身近な病気ですが、脳の機能が病的に破壊されることで、脳全体に委縮や老人斑と言うシミが見られる「アルツハイマー型」、脳梗寒や脳出血が原因の「脳血管性」、脳内に異常なタンパク質がたまる「レビー小体型」が代表的です。治すことはできませんが薬で進行を遅らせることは出来るそうです。今は薬も飲み薬と貼り薬が発売されているそうです。少しでも早く、治療を受けるためには本人だけでなく、家族がいつもと違う行動の変化に気付いたら、ふだん診療を受けている医師に初期の症状を診断できる「物忘れ外来」を紹介してもらうことが大切だということです。記事の最後に認知症が進行していくと見守りや介護が必要になりなります。認知症の場合は高齢でなくても40才を超えている場合には介護保険が使えます。専門医に介護サービスを受けるのに必要な「主治医の意見書」を書いてもらい、行政の窓口や市町村に設置された「地域包括支援センター」を活用してください。と書かれてありましたが、私たちも介護サービスについて、もっとわかりやすく、もっと広く深く情報の発信をしていきましょう。

誰かに相談して

また 「介護疲れでご主人を死なせてしまった」と言う記事を目にしました。きっと前の日まで献身的に介護されていたのでしょう。心身とも疲れて発作的にとった行動なのでしょうが、どちらもお気の毒です。早く、しんどいこと辛いこと 気軽に話せる世の中になることを祈ります。私一人では微力ですが、「介護相談リンクす」の活動の中で少しでも役に立てたらと思いを新たにしました。 

発想の転換

バリアフリー(Barrier free) 広義の対象者としては障害者を含む高齢者等の社会生活弱者、狭義の対象者としては障害者が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた状態をいう。〈ウィキペディアより〉

ある障害を持った方のインタビュー記事で
「バリアはあっても良い。なぜなら人の優しさを感じられるから」
と書いてあった。バリアフリーであれば不自由が少なくなり、何でも自分でできるようになるが、バリアフリーでない場所で困っていると助けてくれる人や声をかけてくれる人がいて、人の温かさを感じられるとのこと。
こういう考え方のできる人って素敵だと思った。

そういえば『夢のみずうみ村』という介護施設(デイサービス)では、
「この施設では実際の生活に近い環境にするため、あえてバリアアリーにしています」
と言っていた。介護施設は利用者のためにバリアフリーにするものだと思っていたが、こういう信念を持った発想の転換って、まだまだあるかもしれませんね。