図書の貸出(エピソード)

陽生苑で図書の貸出を始めて半年がたちました。   
初めての試みなので、試行錯誤が続いています。  
本当は移動図書館のような方法で、貸出カードを作ったらトラブルも少なくなるのではないかと思います。                                               でも施設には手が不自由になっている人も多く、                                                                                 字が書けないことがネックとなって本を借りられない人がいたら本末転倒です。           
だからカードも作らず、常設してある本をいつでも自由に借りてもらえるようにしています。

貸出を始めてすぐ本が2冊紛失してしまいました。 
図書館の本を無くすということは、同じ本を弁償しなければなりません。 
予想はしていたことですが、さて、困った…! 
施設の利用者の部屋を探して歩くわけにも行かず、どうしたものか?と施設の職員と思いあぐねていると、                                              中古本がネットでとても安く手に入ることがわかりました。 
なんと1冊1円+送料。(送料のほうがはるかに高~い。)  
そこで、ネットを利用して施設に本を買って貰い弁償しました。 
「本が紛失することを恐れていたら施設で貸出なんてできないわよ~。」と図書館の職員に励まされ?                                                (まあ~、弁償するのはこっちだし…。)、毎月の本棚のチェックにどきどきしながら活動を続けています。 
その後、紛失は想定内で処理できるよう、施設にもトラブルのための予算を取ってもらいました。

施設で本を読んでもらっていると、中断するとき本のページを折ってしまう人がいます。
私たちはそれを知らないで図書館に本を返しに行くと、                                                                             図書館の職員から「このように折り目をつけられると困ります!」と、しっかり折り目のついた本を見せられ注意されます。
私たちも施設の利用者に「本のページを折らないで下さい。」と注意はしているのですが、徹底できていません。                                           それを見かねたメンバーの一人がたくさんの手作りの栞を作ってくれました。                                                                本当にありがとう!  
それで、前回その栞を貸出する本に全部挟み込みました。
どうぞ利用者の皆さん、栞を活用して下さいね!    
(くれくぐれもページを折らないように!)

図書の貸出

亀岡市の介護相談員は3〜4名ずつのグループにわかれ、介護施設を月に数回訪問しています。
私のグループは、昼食を終えた13:30頃からおやつの時間の15:00頃に訪問することが多く、利用者のみなさんはホールでゆったりとした時間を過ごされています。もちろん曜日によっては、お風呂に入ったり、リハビリをしたり、レクリエーションが行なわれたりしており、職員のみなさんは忙しそうにお仕事をされていますが、利用者の方は全員がそういうわけではありません。
そのような時間に訪問しているため、介護相談員は利用者の方とゆっくりお話しをすることができ、利用者の方は喜んでくださっているように感じます。
しかし、限られた時間と人数では皆さんとお話しすることができるわけではないので、利用者の方の中には、そのゆったりとした時間を少し持て余し気味にしている方もいるように感じました。
そこで利用者の方が個人で何か時間を過ごすためのサービスはないかと考え、施設に本があれば読んだり見たりできるのでは…と思い至りました。

亀岡市の図書館では団体貸出というサービスを行なっており、1団体150冊以内の図書を3ヶ月間借りることができます。「介護相談リンクす」の活動として(当初は個人的なボランティアとして)そのサービスを利用して図書を介護施設に置くことを提案したところ、提案に賛同いただき3月から施設に図書を置くことになりました。

図書の貸出

「介護相談リンクす」では、月に1回、施設を訪問し図書の管理をすると共に空いた時間で利用者の方へ紙芝居をしています。図書の貸出を始めて半年ほどたちますが、現在のところ大きなトラブルもなく(数冊の紛失はありましたが…)利用者の方には大変喜ばれています。

このような小さなアイデアで利用者の方の満足向上が得られるのですね。